ニコニコ生放送では、
『バグダッド・スキャンダル』公開記念として、
11月1日(木)21時より映画の無料上映会を開催。
映画公開&無料上映会を記念し、“スキャンダル”映画まつりと題して、
『ヴィオレッタ』の本編を放送致します。
作品情報
タイトル:『ヴィオレッタ』
2011/フランス/106分/カラー/2.35:1/ステレオ
原題My Little Princess
提供:メダリオンメディア
協力:ユニフランス・フィルムズ
出演:イザベル・ユペール, アナマリア・ヴァルトロメイ, ドニ・ラヴァン
協力:弁護士 奥村徹
監督:エヴァ・イオネスコ
映倫区分 R15+
【配給】 アンプラグド
Copyright ヴィオレッタ violetta All Rights Reserved.
オフィシャルサイト:
http://violetta-movie.com/
※ 本作品は、R-15指定作品となります。制作者の意図を尊重しオリジナルと同内容を配信いたします。
introduction
カンヌで議論を呼んだ衝撃の実話
1977年、実の母親が撮影した自分の娘のヌードという触れ込みで、フランスのみならずヨーロッパや日本でも大きな議論を呼んだ写真集「エヴァ(初版タイトルは鏡の神殿)」が発売された。この写真集はまたたくまに世界中で話題となり、アメリカでは「史上最年少でPLAYBOYに載った少女」ということでセンセーションを巻き起こした。日本でも80年代にブームが巻き起こり、写真展が開催され雑誌「BRUTUS」の表紙を飾るなど、少女エヴァと母親の写真家イリナは有名な存在であった。
写真集の発売から34年がたち、被写体だった娘のエヴァ自身が脚本を書き監督したのが本作。『ヴィオレッタ』(原題「My Little Princess」は2011年カンヌ映画祭・批評家週間50周年記念映画として上映された。
劇中では本名のエヴァから、ヴィオレッタという役名に変更。ヴィオレッタはスミレの花を意味するが、娼婦を主役にした有名なオペラ「椿姫」のヒロインの名前ヴィオレッタをイメージしていることは想像に難くない。かつての自分の実体験が反映された自伝的な映画であるが、娘を愛する一方で、写真家としての名声も捨てられなくて苦しむ母親像も描いている。カンヌではヴァラエティ誌をはじめ、各雑誌や新聞で注目され大きな話題となった。
新たなフレンチロリータ誕生!
少女ヴィオレッタ役のキャスティングは難航した。数か月のオーディションを経ても、イメージに合う少女はフランス国内では見つからなかった。誰よりもこの役のことを知り尽くしているエヴァ・イオネスコ監督だからこそのこだわりであるが、ルーマニアから応募してきたアナマリアを見た瞬間、その美貌にほれ込み即決したという。10歳でこの難役をつとめることになったアナマリア・ヴァルトロメイは本作が映画デビュー。清楚で美しい少女が、ヌードモデルとなり男に媚びる妖しさを覚える。厚化粧をしナイトクラブで大人に囲まれ、次第に汚れていく様は『タクシー・ドライバー』で少女の娼婦役を演じたジョディ・フォスターを彷彿とさせる強烈な存在感を残す。母親への愛情を持ちながらも、ヌードモデルをさせられることへの強烈な反発、やがて母親から逃れたいともがく姿を熱演。本作でボンベイ国際映画祭主演女優賞を受賞。
写真集のモデルだったエヴァ・イオネスコが監督・脚本
エヴァは母親のイリナ・イオネスコが撮影した写真集のモデルのほかに、女優としても60本以上の出演作がある。中でも1979年に日本で公開された『思春の森』(1977)は12歳だったエヴァが胸や局部を出してセックスシーンを演じたことでスキャンダルフィルムとなり日本でも修正されて上映された。
監督しては短編を1本しているものの長編としては本作がデビューとなる。本作は原案を書いてから10年以上の準備期間を経て2010年に撮影。時代背景やゴシック風の衣装、実体験のエピソードを忠実に再現するなど脚本も手掛けた。ボンベイ映画祭で作品賞・監督賞を受賞。2012年のセザール賞では新人監督賞にノミネートされた。
70年代のフランスを見事に再現したキャスト・スタッフ
カンヌ国際映画祭・主演女優賞『ピアニスト』(2001)、ヴェネチア国際映画祭・主演女優賞『主婦マリーがしたこと』(1988)などでフランスを代表する女優イザベル・ユペールが写真家イリナ・イオネスコに扮しモンスターマザーを怪演する。ボンベイ国際映画祭ではアナマリアと2人同時に主演女優賞を受賞。画家に扮するのはレオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァン。70年代フランスのアート界の華麗な雰囲気を漂わせる衣装を担当したのはジバンシィやシャネルなどのスタイリングを担当するパリの有名スタイリスト、キャサリン・ババ。コスチュームデザイナーとしてはこれが唯一の作品。彼女の代名詞ともいえるヴィンテージ・ファーは劇中にふんだんに登場する。セザール賞で最優秀衣装デザイン賞にノミネートされた。撮影は『8人の女たち』(2002)のジャンヌ・ラポワリー。60年代のフレンチ・ポップで知られるミュージシャン・作曲家のベルトラン・ブルガラが音楽を担当している。
story
12歳の少女ヴィオレッタ(アナマリア・ヴァルトロメイ)は、優しい曾祖母に育てられてきた。かつては画家で今は写真家を目指している母アンナ(イザベル・ユペール)は留守がちで、娘たちとは別に部屋を借りて寝起きしている。複雑な家庭事情の中で暮らしている3世代の女性たちはお金がなく日々の暮らしにも困る有様であった。
ある日、ヴィオレッタはアンナに自室に招き入れられる。厚いカーテンに閉ざされた光の入らない部屋は、アールデコ風の家具や鏡、妖しい香り漂うオブジェで埋め尽くされていた。娘に「ママは写真を撮っているの」と切り出したアンナは、ヴィオレッタの三つ編みの髪をほどき、白いレース・ドレスに着替えさせ、写真を撮り始める。母と遊んでいるような感覚が楽しく、母にこたえ言われるままにポーズを取るヴィオレッタ。
学校でのヴィオレッタは、授業中もポーズの練習に余念がない。そんな娘をアンナが放課後に迎えにくる。保護者会にも来てほしいと訴える娘に対し、母は他の取り柄のない凡人たちと自分たちは違う、行く必要はないと言い放つ。そして、画家エルンスト(ドニ・ラヴァン)のアトリエにヴィオレッタを連れて行く。そもそもアンナにニコンのカメラを与え、彼女が写真を撮るきっかけを作ったのは、このエルンストだった。アンナの写真を見て、彼は「絵より写真の方が才能がある。続けることだ」とアドバイスする。そんな母とエルンストを退屈そうに眺めていたヴィオレッタは、エルンストと母が親密そうにする姿に不快感を募らせ、彼の絵をメチャクチャにしてしまう。帰り道、「彼はママの恋人なの?」と問う娘に、せかせかと歩きながら「厳密にはそうじゃない。ママは肉体恐怖症で人間の人体が怖いの」と告白するアンナ。
ヴィオレッタの身を案じる曾祖母の祈りとは裏腹に、母娘のフォトセッションはエスカレートしていく。ヴィオレッタの衣装はレースのドレスから、シースルーやスパンコールのレオタード、黒ストッキング、ガーターベルトへ。赤いルージュに濃いアイメイクを施して、葬式用の花輪や十字架、髑髏や壊れた人形などを手に、ヴィオレッタは妖婉なポーズでしなを作る。さらに、アンナはヴィオレッタのドレスをはぎ、脚を開かせたり過激なポーズを要求するようになっていく。
やがてアンナの個展が開かれる。新進アーティストの仲間入りを果たしたアンナの評判はヨーロッパを駆け巡り、写真も高値で売れ始めた。ある時、母娘はシド・ヴィシャスとのフォトセッションのオファーを受けて、ロンドンへ飛ぶ。シドにお姫様のように扱かわれ、気をよくしたヴィオレッタだったが、翌日撮影が始まると、服を脱いでシドとのキスを求める母の指示を拒んで撮影から逃げ出してしまう。この日を境に、ヴィオレッタはアンナに利用されていることへの不満を爆発させるようになる。
やがてヴィオレッタを守り続けてきた曾祖母が遂にこの世を去る。アンナが売った写真が男性誌のカヴァーを飾り、学校でも「ヌードモデル」と囃されていじめられるヴィオレッタは孤独を募らせてゆく。一方、アンナの写真は話題を呼ぶと同時に倫理上の議論を巻き起し、児童虐待のかどで裁判所から保護者失格の烙印を押しされるアンナ。ヴィオレッタの親権を失いそうになったアンナは弁護士に救済を求めるが、ヴィオレッタの母に対する嫌悪は募るばかりだった。
イリナ・イオネスコ写真集『 エヴァ』とは?
女流写真家のイリナ・イオネスコは、実の娘エヴァが4歳から13歳の間に撮影をした写真集(「鏡の神殿(Temple aux Mirios)を1977年に発表した。バロック的審美性で貫かれた官能的な写真集は、バロックエロスの寵児としてもてはやされ、高い評価を受けた。しかし、作品が広まっていくにつれて愛娘をロリータ・セックスのアイドルに仕立て撮影を行ったイリナの作品は「洗練された悪趣味」とも評され道徳と倫理をめぐってフランスのみならず、アメリカ、ヨーロパ、日本でも大きな話題となった。しかし、シュルレアリスムとバロックの混沌とした写真は世界中で今なお高い評価を得ている。そんな世界的な評価の高さも手伝い2004年には初めて1冊のモノグラフにまとめあげた写真集『エヴァ』が日米で同時出版されたが、北米市場における流通トラブルにより米国版元が突然事業閉鎖。作品集は世界の市場から消え去り、写真集そしてエヴァのシリーズは再び幻の存在となる。その後はプレミアとなって取引されていた。しかし、その様な背景から増刷を望む多くの日本のファンの為に、2011年には日本語限定復刻版が発売された。
バクダッド・スキャンダル作品情報
11月3日(土)シネマカリテほか全国順次公開
原作:マイケル・スーサン 監督・脚本:ペール・フライ 脚本:ダニエル・パイン
出演:テオ・ジェームズ、ベン・キングズレー、ジャクリーン・ビセット、ベルシム・ビルギン
2018年/デンマーク=カナダ=アメリカ/原題:Backstabbing for Beginners /106min/5.1ch/シネスコ/カラー
配給:アンプラグド (c)2016 CREATIVE ALLIANCE P IVS/ BFB PRODUCTIONS CANADA INC. ALL RIGHTS RESERVED
オフィシャルサイト
http://baghdad-s.com/
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