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※ 放送終了から1週間後の23時59分までの間、番組をくり返しご覧いただけます。
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【収録時のイベント概要】
2023年2月、「学問は、ながく喋るから面白い。」をキャッチコピーに、新時代の教養講座として始動した「ゲンロン・セミナー」。その第2期がいよいよ始まります!
第2期のテーマは「1000分で『まちがい』学」。初回は古代ギリシア哲学がご専門の納富信留先生です。
紀元前6〜4世紀の古代ギリシアで「哲学(フィロソフィアー)」と呼ばれる営みが生まれたと言われています。しかし、そこでは互いに批判と訂正を重ね、文学や弁論など他領域を退けて常識を覆す様々な議論がありました。人間の認識を虚妄としたパルメニデスを承け、プラトンは、私たちが見て経験している世界は「像」に過ぎないとして、イデアを求めることが哲学だと主張しました。弟子のアリストテレスがそのイデア論に真っ向から反対したことはよく知られています。また、今日では弁論家に位置づけられ「哲学」から排除されているイソクラテスは、数学を中心とするプラトンの哲学の非実践性を批判し、弁論術の教育こそが真の哲学だと訴えました。「哲学とは何か?」この問い自体が「まちがい」をめぐって議論を交わす最大のアリーナでした。
納富先生によれば、彼らの生き生きした論争を見直すことは、私たち自身の哲学を問うことです。19世紀以降の西洋哲学は古代ギリシア哲学を特権視し、その継承者である自分だけが「哲学」であると称してきました。しかし、古代ギリシア哲学を突き詰めると、その西洋哲学中心主義そのものが覆されます。そうして私たちが追求すべき「世界哲学」も提示していただけるとのこと。
どうぞご期待ください!
【講師の納富信留先生より】
私は古代ギリシア哲学を専門にしていて、プラトンやアリストテレスら哲学者のテクストを、古典ギリシア語やラテン語で読んでいます。今から二千数百年前の文献を読んでも、21世紀の現代社会には何も意味がない、そう思っている人が多いかもしれません。高度な科学技術が発達しSNSやAIやVRが日常に使われる今日、いまさら古代哲学でもないでしょう、そう考えるのは当然です。しかし、ここに考えるべきことが2点あります。
まず、私たち人間の生き方、考え方はそれほど変わっているのか、という点。古代社会にも複雑なシステムや多様な価値観があり、人間の能力や本質は今とほとんど違いません。むしろ欲望の解放が進み、感性や想像力は弱まっているように見えます。情報も計算も伝達も外部に丸投げしてしまい、私たち自身が貧困になっている危惧さえあります。また、現代に生きる私たちはきちんと物事が見えているのか、という点。目眩く情報に流され、自分で思考や判断がしにくい現代と比べて、古代ギリシアの哲学者たちは自ら経験し頭で考え、物事の本質を見据えて的確に語ってきたように思います。私たちはまだ、いやより一層古代哲学に学ぶべきことがあるのではないでしょうか。今回はそんなギリシア哲学の一端を紹介して、議論したいと思います。
哲学とは何か? – ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20240203/