「長尾チャンネル」は、個人ブログでもXのスペースでも言うとBANされてしまう、報道されていることの「裏側」を、これからもお伝えしていきます!
今週のテーマ:安楽死のまさに、今! ゲスト★くらんけ氏
去る10月2日、長尾は大阪高裁である裁判を傍聴しました。いわゆる「京都ALS嘱託殺人」といわれる一連の事件。2019年、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の林優里さん(当時51)が、安楽死を希望し、SNSで知り合った医師二人が彼女の願いを叶えるため嘱託殺人に応じた……その主犯といわれる大久保愉一(よしかず)の控訴審でした。
初公判は遡ること今年の1月11日(京都地裁)。弁護側は冒頭陳述で「女性患者は死にたいという願いを自分で叶えることができず、被告がその願いを叶えた。女性は主治医に頼んでも意思を全うできないから被告に依頼した。その被告を嘱託殺人に問うことは、自己決定権を保障した憲法13条に違反する」と無罪を主張した。
*憲法第13条*
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
しかし、3月5日の判決で京都地裁・川上宏裁判長は「自己決定権は、個人が生存していることが前提であり、恐怖や苦痛に直面していても、みずからの命を絶つために他者の援助を求める権利などが導き出されるものではない」と述べ被告側の主張を退け、「短時間で軽々しく犯行に及び、生命軽視の姿勢は顕著で強い非難に値する」「医師でありながら、SNS上の短いやりとりのみで、診察や意思確認もろくにできないわずか15分程度の面会で軽々しく殺害に及んだ。130万円を受領してから犯行に及んだこともあわせると、被害者のためを思っていたとは考えにくく、利益を求めた犯行だったと言わざるをえない。被告の生命軽視の姿勢は顕著で、強い非難に値する」と述べて、大久保被告が山本被告らとともに問われた13年前、山本被告の父親を殺害した罪についても「大久保被告が計画を練り上げ、重要で不可欠な役割を果たした」と指摘し、懲役18年を言い渡した。
大久保被告は控訴するも、10月2日に行われた控訴審(大阪高裁)は、たった10分で終了。……なぜ大久保被告は犯行に及んだか? ほんとうに林優里さんの命を軽んじた、お金目当ての行動だったのか?
いくらなんでも、懲役18年は重すぎやしないだろうか?
なぜメディアはいつからかこの事件に「安楽死」という言葉を使わなくなったのだろうか?
幸福追求権を謳った憲法第13条は、死にゆく者には無視されてもいいのだろうか?
この裁判は、我が国がずっと棚上げにしたままの「安楽死」について、大きな問題提起をすることになるだろう。メディアはもっとこの裁判をきちんと報じるべきである……長尾はこの日の判決を、「夢はスイスで安楽死」そして、大久保氏との共著として「法廷のピエロ」を上梓した、くらんけ氏と一緒に当日傍聴する予定(傍聴券がハズレるかもしれませんが)。
もう、蓋ができないところまできた「安楽死」について、さまざまな角度から考えていきます。
くらんけ氏・プロフィール
1991年、青森県生まれ。6歳のときにCIPD(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という難病を発症し、長い闘病生活に入る。治療に限界を感じ、2019年10月に「死ぬ権利」を手に入れスイスに渡るも、気持ちの整理がつかずに帰国。現在は自分の選択と再び向き合いつつ、X上で安楽死・介助自殺についての情報や死ぬ権利を持った生活の発信を行っている。著書に『私の夢はスイスで安楽死 難病に侵された私が死に救いを求めた三十年』(彩図社)。Xアカウント→ @IrreKranke
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