• 148
  • 0
コメント

【生放送】岡室美奈子 聞き手=青山俊之 ベケットと「まちがい」の美学──よりよく失敗するために【ゲンロン・セミナー 第2期 1000分で「まちがい」学 #3】#ゲンロンセミナー #ゲンロン240420

CH一部無料
(4時間)

ゲンロン完全中継チャンネル提供:合同会社ゲンロンカフェ

この番組を最後まで視聴するために

※ 本イベントは、シラス「ゲンロン完全中継チャンネル」からも配信いたします。放送開始から4時間30分を超えてイベントが続いた場合、ニコ生では配信を終了しますが、シラスでは有料で延長配信をおこないます。
※ シラスのシステム上、延長部分のみの購入はできません。延長部分のご視聴をされたい方は、あらかじめシラスで番組本編をご購入ください。

☆ 番組チケット(2000円)のご購入はこちら!
https://ch.nicovideo.jp/genron-cafe/live/lv344606932
☆ 登壇者への質問を募集中!
https://forms.gle/MsqnxeiSQUiGMmzNA


【イベント概要】
2023年2月、新時代の教養講座として始動した「ゲンロン・セミナー」。その第2期「1000分で『まちがい』学」の第3回講義のテーマは「演劇とまちがい」です。講師には、サミュエル・ベケット、テレビドラマ、現代演劇を専門とする岡室美奈子先生をお招きします。

岡室先生がご研究するベケットは、アイルランド出身で、第二次世界大戦後はパリで活躍した劇作家です。ベケットの代表作である戯曲『ゴドーを待ちながら』は、2人の浮浪者がゴドーを待ちながらボケとツッコミを交えた、たわいもない会話をし続ける作品です。岡室先生いわく、ベテランの役者でも2人のセリフは覚えづらく、ベケットは「まちがい」を誘うように作品を作っているところがあるそうです。『ゴドーを待ちながら』をはじめ、ベケットは現代演劇にも大きな影響を与えた作家として知られます。

講義では、ベケットとその代表作である『ゴドーを待ちながら』を中心に、作品に込められた「まちがい」に着目して演劇とはなにか、そして「よりよく失敗する」こととはどういうことなのかを考えます。ご期待ください!

【講師の岡室美奈子先生より】

ベケットは『いざ最悪のほうへ』(Worstward Ho)のなかで「いつも試した。いつも失敗した。だからなんだ。また試せ。また失敗しろ。もっとよく失敗しろ」と書いています。ベケットは戯曲、小説、詩、ラジオドラマ、テレビドラマ、映画のシナリオなどさまざまなジャンルの作品を書きましたが、物事がうまくいく人やうまくやれる人は一人も出てきません。たぶんベケット自身にとっても、ノーベル文学賞を受賞してもなお「書くこと」は失敗することだったのでしょう。しかしその失敗の痕跡であるベケットの作品に、私たちは心を揺さぶられます。

コロナ禍のなかで『ゴドーを待ちながら』の二人のホームレス、ウラジミールとエストラゴンがただ待っていることの意味を考えました。はたしてそれはネガティヴなことなのか、と。待ち人はいっこうにやって来ないし、何をやってもうまくいかない二人ですが、そこには奇妙なおかしみと明るさがあります。「成功」や「成長」、「達成」を善とする価値観とは無縁な世界で失敗し続けること、そこにベケットの美学があったのだと思います。

このセミナーでは、「もっとよく失敗する」(fail better)とはどういうことか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。


ベケットと「まちがい」の美学 – ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20240420/
親作品・子作品を見る