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【伊勢〈情〉物語】「初冠」「雨の後朝」を読む

(50分)

フーッと一息文学カフェ_FUMA
【動画版文学全集】伊勢物語編~情愛と情熱、「昔男」の物語~

[1]
むかし、男、うひかうぶりして、平城の京、春日の里にしるよしして、狩りに往にけり。 その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男、かいまみてけり。 おもほえず、古里にいとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。 男の着たりける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる。 その男、しのぶずりの狩衣をなむ着たりける。
春日野の若紫のすり衣しのぶのみだれかぎり知られず
となむ、おいづきていひやりける。
ついでおもしろきことともや思ひけむ、
みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑにみだれそめにし我ならなくに
といふ歌の心ばへなり。むかし人は、かくいちはやきみやびをなむしける。

・「歌物語」とは?
・冒頭、突然元服した男の登場
・古里に似合わぬ美しく、魅力的な姉妹
・不釣り合いに心を乱す
・場所「春日」/服装「しのぶずりの狩衣」を踏まえた歌
・歌着想の解説
・「君に心を乱された」の歌意を踏まえる

[2]
むかし、男ありけり。平城の京ははなれ、この京は人の家まださだまらざりける時に、西の京に女ありけり。その女、世人にはまされりけり。その人、かたちよりは心なむまさりたりける。ひとりのみもあらざりけらし。それを、かのまめ男、うちものがたらひて、かへりきて、いかが思ひけむ、時は弥生のついたち、雨そほふるにやりける。
起きもせず寝もせで夜をあかしては春のものとてながめ暮しつ

・『古今和歌集』恋歌三
三月の一日より、しのびに人にものを言ひて後に、雨のそぼ降りけるによみてつかはしける
起きもせず寝もせで夜を明かしては春のものとてながめくらしつ
・夜這いして共寝をし明け方帰る
・廃れた西の京、心優しい人妻
・雨の朝、女を思い続ける男
・「ひとりのみもあらざりけらし」、複雑な思い

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