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ブルリフ燦のストーリー見る テスト配信

(21分)

ISAC
LV7
「森崎さん。クッキーを作ったんですけど、一緒に食べませんか?」

お昼時。
詩帆が手にクッキー持って部屋にやって来た。
ちょうど小腹が空いていたし、何よりバディが作ってくれたものだ。
私は手に持って見つめていた灰の小瓶を机に置き、彼女の方へ向く。

「……そうね。いただくわ」
「はい!えっと、これがチョコレート、こっちがシュガーバターで……」

机の上に置かれた、たくさんの詩帆お手製クッキー。
その中から一つ摘み、口へと運ぶ。
サクッと小気味いい音の後、口の中に甘さが広がっていく。

「おいしい」
「えへへっ。森崎さんに食べて欲しくて頑張っちゃいました」

確かに食べたクッキーは少し温かさが残っている。
きっと私に食べてもらうために、出来立てを急いで持って来たのだろう。
そう思うと、口内に広がる甘さは、きっと砂糖の甘さだけじゃ無い。

「あ、これ特に自信作なんですよ。コーヒーを混ぜて作った、コーヒークッキー。はい、あーん」
「………」

詩帆から差し出されたそれを手で取ろうとすると、途端に悲しそうな顔をする。
….…しょうがない。
自らの口で、クッキーを咥える。

「ふふっ、美味しいですか?」
「ええ。とっても甘いわ。じゃあ、はい。あーん」
「え?………あ、あーん」

お返しに私からも。
詩帆は恥ずかしそうに私の手からクッキーを啄んだ。

「これはなかなか……恥ずかしいですね」
「今更気づいたの?」
「でも、とっても甘いです。今度は私から」
「普通に食べさせて」
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