「君たち探偵社は、国の誇りだ」
ポートマフィアとの共闘のもと《死の家の鼠》が謀る
「共喰い」作戦を制してから、およそ一ヶ月。
武装探偵社は、安全貢献の最高勲章たる
祓魔梓弓章を授かり、国を挙げて讃えられることとなった。
そこへ舞い込む、政府からの緊急要請。
4件にわたる若手議員の殺害事件は、六道輪廻の最高位たる
天人が死の間際に表す5つの兆候に見立てられていた。
武装探偵社は、残る1件を未然に防ぐべく立ち上がる。
「一同全力を挙げ、凶賊の企みを阻止せよ」
だがそれは、たしかに捕らえたはずの
狡猾なる〝魔人〟フョードルが仕掛けた罠だった――!!
彼らが掲げる「正義」に疑惑を抱く政府の役人。
牙をむく軍警最強の特殊部隊《猟犬》。
破滅への引導を渡すべく跋扈する《天人五衰》。
栄光から一転、人々から謗られる身となった武装探偵社に
次々と襲い掛かる新たな敵、そして、底なしの絶望……。
散り散りになる仲間たち。
果たして中島敦は、
この未曾有の危機を乗り越えることができるのだろうか?
光なき、戦いの幕が上がる――。