※ 本イベントは、シラス「ゲンロン完全中継チャンネル」からも配信いたします。放送開始から4時間30分を超えてイベントが続いた場合、ニコ生では配信を終了しますが、シラスでは有料で延長配信をおこないます。
※ シラスのシステム上、延長部分のみの購入はできません。延長部分のご視聴をされたい方は、あらかじめシラスで番組本編をご購入ください。
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https://ch.nicovideo.jp/genron-cafe/live/lv340461135☆ 登壇者への質問を募集中!
https://forms.gle/2tWVdw8rpFb6kRcC8【イベント概要】
ゲンロンカフェ10周年を記念した新時代の教養講座「ゲンロン・セミナー」。第1期「1000分で「遊び」学」をテーマとした第2回目の講義は、比較認知科学とフィールドワークを駆使して動物を研究する山本真也先生です。山本先生が挑む究極の問い、それは「人間とはなにか」です。先生は進化の隣人であるチンパンジーとボノボ、社会の隣人であるイヌとウマを主な対象に、古くて新しい問いとして種としての「ヒト」を探究します。
動物をどのように研究することで「ヒト」を探るのか。山本先生が着目するのが、動物たちによるふるまいに垣間みえる社会的知性です。進化の隣人であるチンパンジーとボノボは、600万年前ほど前にヒト種と別れた共通祖先です。つまり、もっともヒトと近しい動物です。かれらが社会集団のなかで発揮する協力・敵対行動から他者を理解する知性を野外観察と実験研究を駆使して探ります。旅好きとして各地を飛び回る山本先生による豊富な写真が用意されますのでどうぞお楽しみに!
第1回目の講義では、「遊び」を哲学的に「解釈」しました。第2回目の講義では、ヒトと動物が織りなす具体的なふるまいを読み解き、「比較」する知見をみなさんと考えます。たとえば、チンパンジーとボノボは「ケンカっ早いチンパンジーと平和なボノボ」と比較されます。けれども、チンパンジーも協力するし、ボノボもケンカをする。では、具体的にはどのような文脈でふるまいの相違が見られるのでしょうか。かれら共通祖先の社会性から、わたしたちの社会性はどのように考えることができるのでしょうか。きっとここにも、「比較」の視座が活躍するはずです。
そこで、山本先生からみなさんに宿題が寄せられています。ずばり、「わたしたちヒトの特異性とはなんでしょうか?」。こちらの問いは講義の冒頭で会場のみなさんにディスカッションしていただく予定です。ぜひ考えてみてください。山本先生の研究コラム「「ヒトとは何か」を探る動物研究」(『最前線に立つ研究者15人の白熱!講義 生きものは不思議』)にそのヒントが載っているはずです。こちら中高生向けの書物ですが、侮ることなかれ、各研究者の個性とともに研究のエッセンスが詰め込まれた一冊です。
聞き手はゲンロンで働く大学院生であり、言語人類学を中心に研究をおこなってきた青山俊之が務めます。動物とヒト、霊長類学と人類学、フィールドワークと実験による比較認知科学などを介し、「わたしたち」自身をどう掘り下げることができるでしょうか。この講義では、経験豊富な山本先生による各地域の生態の記録から動物たちの集団生活に迫り、日常でさも当たり前にふるまう「わたしたち」の社会性を考えます。ご期待ください!
【講師の山本真也先生より】
進化の隣人であるチンパンジーとボノボ、ヒト社会の隣人とも言えるイヌとウマ、他さまざまな動物を対象に、認知行動実験と野外観察の両方を通して知性の進化の謎に取り組んでいます。専門分野を問われれば比較認知科学と答えていますが、ホルモンレベルから認知・行動・社会・生態まで、幅広い手法を取り入れて研究しています。究極の研究テーマは「人間とは何か」を知ること。人間性の進化:その過去だけでなく、未来にも目を向けています。とくに社会の中で発揮される知性である社会的知性に関心をもっており、主なキーワードは、共感・他者理解・協カ・文化・集団社会です。
今回のテーマは「遊び」ですが、私自身は「遊び」そのものを研究しているわけではありません。ただ、遊びにはさまざまな社会交渉が含まれています。ヒトの遊びと動物の遊び、何が共通しているのでしょうか?あるいは、両者を分かつ明確な差異はみられるのでしょうか? 「遊び」をひとつのとっかかりとして、動物の社会性についてさまざまな視点から見てみようと思います。「ヒトらしさ」とは何か、この講座で皆さんとともに考えられるとうれしいです。
人間とはなにか – ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20230326/