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龍が如く見参! #3 第5章【1両の願い】初めから

(2時間21分)

ヒロ
LV17
かつてこの国には、人が人を殺すことで、己を極めんとした時代があった。
男達は己の剣のみを信じ、強さを追い求める。
だが世の中は“関ヶ原の戦い”を境に、大きく変わろうとしていた。
天下分け目と云われた戦いがもたらした安寧と平和。
それは男達から“剣という力”を奪い去ろうとしていた。
それから時は流れ、1605年。
徳川幕府という権力に統治された日本という国は、剣よりも金を必要とする国へと生まれ変わっていた。
金が剣より強い時代。
牙を奪われた男達は、かつての栄光を求め、泰平の世をもがき生きる。
激変した日本という国。
四方を壁に囲まれ、外界と隔離された色町。ここには人間の欲望と金が集まる。
女はその身で金を生み出し、男は金で夢を買う。
そんな欲望の町に、一人の男が生きる。
人呼んで“祗園の龍”こと桐生一馬之介(きりゅう・かずまのすけ)
またの名を“宮本武蔵(みやもと・むさし)”。
掛廻(かけまわり)と呼ばれる遊廓や町の用心棒を生業とするこの男。
喧嘩と仕事には滅法強く、色を好む遊び人。
金さえ払えば、どんな仕事でも引き受けると言われるこの男の元に、ある日一人の少女が訪れる。
少女の名は
汚れた風呂敷と一本の脇差を抱えた遥は、急な来客に戸惑う桐生に対し、こう言うのだった。
「宮本武蔵を殺してください。
一人の少女の儚くも強い願い。
遥はわずか一両の金と引き換えに自らを遊郭に売ってしまうのだった。
その一両で、桐生に仕事を引き受けてもらうため……
桐生が少女から受けとった“一両”。
それは彼の人生、そして“関ヶ原”に隠された陰謀に繋がっていく……
桐生はかつての自分、“もう一人の宮本武蔵”という男の影を追いかけて、京の町へと飛び出していく。


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