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ばろっく +7

(2時間21分)

あいびす
BROQUE、17世紀に流行した芸術様式。
「歪んだ真珠」というポルトガル語を源に、不調和、過剰さ、混乱を意味する。

だが、大熱波前後の世界で使われたこの言葉は、違った意味を持っていた。
それは、「歪んだ妄想」。
崩壊し荒れ果てた世界では、二兎はより多くの妄想にすがらなければ
生きる意志を持つことができなくなっていた。
今、人々はバロックを抱えて、生き抜いている。

大熱波によって世界は大きな打撃を受けた。
世界は歪み、廃墟と化した。
奇怪な異形が徘徊し、残酷な殺戮は絶えることがない。
そして、誰もがバロックを抱えていた。

偽装翼をつけ、自らを天使と呼んでいるマルクトという集団がいた。
大熱波を起こしたのは、この者たちだと言う人々もいた。
なぜなら偽装天使たちの活動していた舞台「神経塔」は、
いまだに奇妙に歪み続け、恐ろしいスピードで変貌をとげていたからだ。

僕は記憶を失っている。
ただ胸中に残された罪の意識だけを強く感じているのだ。

僕たちの罪はどうすれば癒されるのだろう?

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