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ようせいのうた/thus feat.初音ミク【オリジナル曲の心算】

ライブ公開
(18分)

thus
LV33

この番組は以下の動画のライブ公開番組です

どうも、妖精を宥めるthusです。
 どういう訳か、団体の旅行ツアーの隊列の最後尾にいた私は、商業スマイルと明るい声を湛えながら先導する腹黒い人についていくのにまあまあ嫌気がさしていました。連続した吊り橋をこれから渡るぞと差し掛かった辺りで、「元々参加したくなかったし」と思った私はこっそり道を外れて、寂れた記念館みたいな建物の前で流れている噴水邊りに座って、煩くなくなるまで休憩しようかと思いました。もう夜に差し掛かり空がピンク色になってきていました。
 ずっと吹き上げている噴水に近づいて、せめてツアーの人々に見えないようにと、噴水の反対側に回ると、噴水の2段目辺りにしくしくと泣いている2等身の凄く小さな女の子がいました。ぱっと見全身肌色を認めたので、虐待で服を着せられていないのかと一瞬思い周囲を警戒し、児童相談所への連絡が頭を過りましたが、よく見るとあくまで着ているものが肌色タイツな近未来宇宙服のような生地ものであり、そして背中に羽が生えていました。ああこの子は妖精なんだと理解しました。見た感じどうも、仲間とはぐれて了って泣いていたみたいでした。私は、せめて寂しさが紛れるようにと、その子の手元に置いてあった音程が出せる不思議なトライアングルを使って、歌を教えました。その時に教えた歌が、この曲です。
 寂しくなったらこの曲を歌うんだよと告げ、不思議なトライアングルを手渡し返すと、嬉しそうに私が教えたフレーズを何度も何度も繰り返し演奏していました。それを見て私は大丈夫そうだと思ってその場を去り数十歩程歩くと、教えた歌の声量が徐々に大きくなってきたことに気づきました。妙だなと思い振り返ると、噴水には沢山の妖精が集まってきていました。奏でられた音楽を頼りに無事仲間と合流できたみたいでした。そしてまるで感謝を伝えるように、私が教えた歌を仲間の妖精たちと共に私へ歌ってくれていたのでした。私はああ良かったと思いながら、手を振り返しつつその場を去り、元の道へ戻りました。
 吊り橋前へ戻ると、一つ目の吊り橋だけ落ちていました。多分団体旅行者全員、渡る最中に吊り橋と共に落ちて了ったんだと思われます。吊り橋の代わりに、妖精たちの贈りものか、宙に浮くターザンロープがゆったりと降りてきたので、それを伝って私一人だけ先に進むことができました。
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