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東工大理学院×すうがくぶんか「現代数学レクチャーシリーズ 2021」~数理ファイナンス&タイヒミューラー祭り~

公式
(4時間25分)

N予備校提供:株式会社ドワンゴ
企画概要
社会人のための数学教室「すうがくぶんか」は、東京工業大学理学院と提携し、社会で活躍する様々な方が現代数学に触れることのできる機会を設けています。
その一環として、「現代数学レクチャーシリーズ」と題し、数学者として活躍されている先生方の研究内容をできるだけそれに近い形で学んでいく講座を開講しています。

第4回目である今回は、コロナ禍のためオンラインで配信し、2部構成で開催されます。第1部「社会に広がる数学」では、東京工業大学 理学院数学系・理財科学研究センターの二宮祥一先生が、数理ファイナンスという主に金融の世界で用いられる分野に関する講演を行います。高度な数理的手法が実社会でどのように広がっているのかが感じられる内容となります。

第2部「タイヒミューラー祭り」は、2012年に京都大数理解析研究所の望月新一教授によって発表され、8年半もの年月を経て今年専門誌に論文が掲載された数学界の一大トピック「宇宙際タイヒミューラー理論によるABC予想の解決」に関するパートです。望月先生の盟友・加藤文元先生と、正井秀俊先生、若林泰央先生の3名が、タイヒミューラー空間の理論からはじまり、p進タイヒミューラー理論、宇宙際タイヒミューラー理論と、望月先生の理論に到るまでの発展を丁寧に紐解きます。

プログラム
▼第一部「社会に広がる数学」
講演者:二宮祥一先生
タイトル:「数理ファイナンスと確率論と数値計算」
金融工学、数理ファイナンス、デリバティブ(金融派生商品)といった言葉が登場して世間を騒がしてから、はや30年が過ぎようとしています。
この間にこれらは完全に現代の社会の最も重要な部分の一つとして当たり前の存在となりましたが、その最も基本的な部分ですら理解されているようには見えません。
ここでは、その内容を数学的にわかりやすく解説したいと思います。
※諸事情により、第一部の二宮先生のご講演は延期となりました

▼第二部「タイヒミューラー祭り
講演者①:正井秀俊先生
タイトル:「タイヒミューラー空間 --- (不)自由なカタチ」
カタチの自由と不自由について考える。制約が厳しいと、カタチは自由を失い変形できない。
逆に制約が緩すぎると変形の自由度が高すぎて収拾がつかない。
リーマンが考えたモジュライ空間、そこに"しるし"をつけたタイヒミューラー空間は「曲面の複素構造」の変形を考える空間である。
そこには、程よい自由が、結果として豊かな世界があった。
本講演ではタイヒミューラー空間における"しるし"の効能と、そこから見える"複素構造の壊し方"について解説する。

講演者②:若林泰央先生
タイトル:「p進タイヒミューラー理論 --- 失われたカタチを求めて」
p進タイヒミューラー理論とはいったい何でしょうか。
この理論は、素数が1より小さくなったり、さらには0になってしまうような数の世界が舞台です。
そんな不思議な世界から「かたち」やその変形のようすをながめると、いつもと違う景色が見えてくるかもしれません。
この講演では、幾何学と数論が交差するp進タイヒミューラー理論のココロについてお話しします。

講演者③:加藤文元先生
タイトル:「宇宙際タイヒミューラー理論 --- 数体のカタチ」
宇宙際タイヒミューラー理論はABC予想の解決のために2012年に京都大学数理解析研究所の望月新一教授によって発表された理論です。
この理論のアウトラインを、以前、私は「たし算とかけ算の絡み合い」をいかにしてほどくかという見地から、MathPowerで説明したことがあります。
今回はこれを「数体のカタチ」のタイヒミューラー変形というアプローチから説明しようと思います。

登壇者

二宮祥一先生
東京工業大学理学院数学系教授。
東京大学理学部数学専攻卒業、IBM東京基礎研究所研究員、東京工業大学理財工学研究センター助教授、同教授を経て現職



正井秀俊先生
東京工業大学数学系助教。
数学論文データベースMathSciNet と名前がよく似ていて嬉しい。いつかマサイ族に会いに行きたい。


若林泰央先生
東京工業大学理学院数学系助教。
京都大学大学院理学研究科(数理解析研究所)にて博士号取得後、東京大学大学院数理科学研究科特任助教等を経て、現職。


加藤文元先生
東京工業大学理学院数学系教授。
京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻博士後期課程修了。博士(理学)。
マックス・プランク研究所(独)研究員、レンヌ大学(仏)やパリ第6大学(仏)客員教授なども歴任。​​


主催:株式会社すうがくぶんか・東京工業大学理学院
協力:株式会社ドワンゴ