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パワプロ2020で遊ぼうっぽい何か

(3時間58分)

和泉
LV75
待望のコロナ収束後、本拠地、横浜スタジアムで迎えた中日戦
先発櫻井が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は100敗だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、昨年の最多勝すたぁまんは独りベンチで泣いていた
WBCで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト……
それを今の横浜で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ……」すたぁまんは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、すたぁまんははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」すたぁまんは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、すたぁまんはふと気付いた

「あれ……?お客さんがいる……?」
ベンチから飛び出したすたぁまんが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにベイスターズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするすたぁまんの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「たぬき、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったすたぁまんは目を疑った
「し……柴田さん?」  「なんだたぬき、居眠りでもしてたのか?」
「と……戸柱コーチ?」  「なんだすたぁまん、かってに戸柱さんを引退させやがって」
「伊藤さん……」  すたぁまんは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:神里 2番:ソト 3番:オースティン 4番:佐野 5番:宮崎 6番:森 7番:戸柱 8番:すたぁまん 9番:柴田
暫時、唖然としていたすたぁまんだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる……勝てるんだ!」
大貫からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するすたぁまん、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった……

翌日、ベンチで冷たくなっているすたぁまんが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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