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2020年は新型コロナウィルス流行に世界中が翻弄された年でした。科学の知見をもとにファクトチェックを行い、正しく判断し行動することが求められました。しかし、日常や社会を「あるべき姿」にするという要請は、逆に人々の不安を募らせるきっかけにもなりました。
情報技術をはじめとするテクノロジーの進歩がめざましい一方、われわれは、自分や身の回りをなにもかもコントロールしたいという過剰な欲求にしばれているのかもしれません。
今回は、医療人類学者の磯野真穂さん、ローカルアクティビストの小松理虔さん、臨床心理士の東畑開人さんによるトークイベントを配信します。
磯野さんは『急に具合が悪くなる』(哲学者、宮野真生子さんとの往復書簡)や『ダイエット幻想』など、人生の不確実さに向き合うことで思索を展開しています。小松さんは『新復興論』やゲンロンβの連載「当事者から共事者へ」などを通して、ある意味で「不真面目」であることが、閉塞された環境をひらく契機になるのではと論じます。東畑さんは『居るのはつらいよ』で自身の体験を通してケアとセラピーについて考えるなかで、ケアのためのアジール(避難所)の不安定さ、アジールがアサイラム(収容所)になってしまう状況に警鐘を鳴らしています。
不安を乗り越えようとする行動が、かえって不安をおおきくする社会で、われわれはどんな生き方ができるのか。ゲンロンカフェならではの濃密な対話にご期待ください。
※ 放送のみ(会場は無観客)のイベントです。
※ 本イベントは配信サイト「シラス」でもご視聴可能です。
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