ToHeart

「ねぇ？緑色のピーマンって、まだ熟しきってないピーマンなんだって」
「えっ、何？」
「熟して赤くなると、栄養も増えるし、生で食べても美味しいんだよ」
「ふーん・・・あかり、そういう事よく知ってるよな」
「フフン♪」
「ねぇ・・・なんだかまるで雪みたいじゃない？」
「(は？)そうかなぁ・・・あっ待てよ！あかり！」
「浩之ちゃん、来年も一緒に桜、見れるといいね」

～～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～～

「昨日、夢を見た」
「ずっと昔の夢」
「その夢の中では、俺たちはまだ16才で」
「そこは一面の雪に覆われた広い田園で」
「人家の灯りはずっと遠くに、まばらに見えるだけで」
「降り積もる新雪には私たちの歩いてきた足跡しかなかった」
「そうやって」
「いつかまた一緒に桜を見ることが出来ると」
「私も、彼も何の迷いもなく」
「そう、思っていた」

One more time,One more heart