「縁起」。
日常会話でもよく使われる、なじみ深い言葉だが、仏教2500年の歴史の始点に位置する重要概念でもある。
しかし「これが縁起だ」という定説は仏教全体としては存在しない。
縁起をめぐる論争において、論者達が陥った罠とは?
宮崎哲弥の新著『仏教論争』(
https://amzn.to/2Fjul5m)(ちくま新書)は、和辻哲郎、三枝充悳といった知識人・仏教学者たちの論争を取り上げ、仏教のみならず日本近代思想史をも射程に収めた渾身の力作である。
この新著をもとに、いまあらためて「縁起」とはなにか、そして「仏教」とはなにかを、論壇記者四半世紀の村山正司朝日新聞編集委員とともに語る。
↓ 宮崎哲弥さんからのメッセージ!
新著『仏教論争』では、いままで忘れられがちだった、仏教をめぐる知識人たちの論争を俎上に載せています。
その論争が仏教という普遍宗教を主題としながら、各々の観点に時代相が否応なく反映してしまう相状を検証し、いまも決して解消したとはいい難い、外来思想や伝統思想の解釈と導入の困難性を浮かび上がらせたつもりです。
和辻哲郎、宇井伯寿、木村泰賢などヨーロッパの先進思潮に精通した論者たちが、それを仏教の解釈、再解釈に生かそうとしたとき、いかに創見を得、いかに誤ったかを確認することは、仏教者、仏教学者はもちろん、日本近代思想史や現代思想に関心を持つ人々にも何程か示唆するところがあると思います。
対話の相手を務めてくれるのは朝日新聞編集委員の村山正司さん。知る人ぞ知る、この20年の文化・思想トレンドの仕掛け人です。
(宮崎哲弥)
宮崎哲弥著 『仏教論争──「縁起」から本質を問う』(ちくま新書)刊行記念イベント– ゲンロンカフェ
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