【収録時のイベント概要】
中田考は民主主義とは制限選挙寡頭制にすぎないと述べている(『私はなぜイスラーム教徒になったのか』)。
人やモノの移動を禁じ、国民とそれ以外とを区別する国民国家(領域国家)の制度は、根源的な問題を抱えており、別の制度に移行すべきだという主張だ。
その制度が「カリフ制」。それは、シャリーア(イスラム法)によって統治された、国境の存在しない理想の世界だと中田は言う。
他方、東浩紀は『一般意志2.0』において、情報技術を利用した民主主義のバージョンアップを提起していた。
動物的な生を保障するグローバルなプラットフォームのうえに、小さな最小国民国家が立ち並ぶべきだというその主張は、中田のカリフ制論と呼応すると言えなくもない。
同構想は、年末刊行予定の『ゲンロン0』でさらに展開される予定である。(『ゲンロン0』の内容の一部は『ゲンロン観光通信 #7』『ゲンロンβ4』で読める)。
カリフ制と一般意志に共通点はあるのか。中田と東の対話は成立するのか?
そもそも、国民国家と民主主義がダメだとして、それをそう簡単に放棄してよいのか?
現代世界のシステムを根本から問い直す、大型対談がここに実現!
カリフ制再興 vs 一般意志2.0 – ゲンロンカフェ
http://genron-cafe.jp/event/20160728/