著作権などの知的財産権の分野では、国際条約は長く公開協議が原則でした。
しかし、各国・各界の対立が先鋭化するにつれ、
米国などの主導で秘密協議の傾向が強まっています。
TPPは秘密協議ですが、知的財産をはじめ幾つかの章については米国提案が流出し、
その知財強化や米国化ともいえる内容をめぐって国際的な論争を招いています。
TPP協議でも、米国とニュージーランド・マレーシアなどが
知財条項を巡って激しく対立中と伝えられています。
こうした状況を踏まえ、去る11月30日、
「
TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム
」(thinkTPPIP)が設立されました。
このフォーラムは、TPP自体については中立であるものの、
その密室性と、漏れ聞こえる知的財産権条項の内容には危惧を抱き、
「
TPPの公開交渉化、仮にそうならない場合、少なくとも知財条項をTPPの対象から除くこと」
を提言しています。
また、12月1日,2日には、TPPニュージーランド・ラウンドにあわせて、
米有力NGO「電子フロンティア財団」が
各国のNGO・アクティビストに呼びかけて国際ネットワーク会議が開催され、
このフォーラムからも3名が参加しました。
こうした世界の知財をめぐる市民活動の潮流を報告すると共に、
二次創作やデジタルアーカイブ、その他多様なネット活動へのTPP知財条項のインパクトと、
日本の進むべき道を各界の第一人者を招いて討論するシンポジウムの模様を、
生中継でお送りします。
登壇者(順不同、敬称略):
司会:
福井健策(弁護士、日本大学芸術学部客員教授、thinkC世話人)
赤松健(漫画家、Jコミ代表取締役)
吉見俊哉(社会学者、東京大学大学院情報学環教授)
野口祐子(弁護士、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事)
八田真行(駿河台大学経済学部講師、MIAU幹事会員)
渡辺智暁(国際大学GLOCOM准教授、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事)