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サイエンティスト・トーク「原発のごみ、日本に埋める場所ありますか?」

CH
(1時間10分)

Miraikan Channel提供:国立研究開発法人 科学技術振興機構
日本ではこれまで原発を使用してきたことで核のごみである高レベル放射性廃棄物が大量に生まれていますが、その処分の手段を未だ持ち得ていません。最終処分方法として地層処分を行う方針とはなっていますが、処分場の選定・建設は全く進んでいないばかりか、地層処分は廃棄物を数万年にもわたり安全に隔離する有効な手段と言えるのか疑問視する声もあります。

高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて固めたガラス固化体(直径約40センチ、高さ約1.3メートル)にし、無害化するまで数万年にわたって地下300メートルよりも深い岩盤内に埋めて隔離しようというのが地層処分です。日本ではこれまで約50年原発を使用してきたことで、ガラス固化体にして約25,000本分の使用済み核燃料がすでに生じており、何らかの処分を行わなければ、このまま問題を先送りにしてツケを未来世代に残すだけです。

本イベントでは地質学者の吉田英一氏を講師にお招きし、日本独自の地質現象を踏まえて、地層処分が可能な場所が日本にあるのかを科学的に見ていきます。地震大国で火山も多い日本列島に、数万年というタイムスケールで安定した地下環境はあるのでしょうか?地下に埋めた場合、廃棄物が地下水に触れたり、地表に露出して破壊されてしまわないようにするために、安全に隔離できる場所をどのように選ぶのでしょうか?

「トイレなきマンション」ともたとえられる、行き場のない核廃棄物を抱えた原子力発電。いま原発をすべて止めたとしても、これまで使用してきたことですでに生じた大量の廃棄物の問題から、私たちは逃れることが出来ません。だからこそ今、この難問に向き合い、地層処分について一緒に考えませんか。

講師
吉田英一氏
(名古屋大学博物館資料分析系教授、大学院環境学研究科兼任) 専門は環境地質学・応用地質学。
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