おびただしい死と過酷な現実を前に、
記者たちはどんな『真実』を探りあてたのか――。
震災から1年余。
メディアは、そのおびただしい被害者の数を連日のように伝えてきた。
しかし「数字」となった一人ひとりには、それぞれのストーリーが存在する。
その一人ひとりの物語を、そして生き残った被災者の「今」を、
被災地に寄り添いながら伝えてきた5人の新聞記者がいる。
ある記者は民家に下宿し、またある記者は断水の続くホテルに住み、
仮設トイレで用を足しながら取材を続けたという。
がれきの中を泥だらけになって歩き回り、
仮設住宅の人たちの話に耳を傾けることで生まれたきた被災地の記事。
しかし、人の不幸をメシの種にしているという罪悪感。
被害の大きさに対し、書いても書いても伝えきれないという無力感。
『復興しようとする地域にも、まだ前へ踏み出せない人がいる。
そのすべてが「被災地」なのだ』
『壊滅的、と何度も書いた。
そんな状況でも、支えあう住民たちに出会い、救われる思いがした』
被災地に寄り添う記者は、様々な葛藤を抱えながら、
時に「希望」を見出しながら、震災に向き合い続けている。
被災地に暮らし、被災地を伝えてきた記者が目にしたものとは――?
そして、紙面には載せられなかった思いとは――?
被災地の最前線で取材を続ける朝日新聞の記者5人を招き、
約1年間にわたる継続的な取材で見つけ出した震災の『真実』を、
朝日新聞・仙台総局よりお伝えします。
■ 出演(敬称略/北から南へ)
伊藤智章 (岩手・
宮古支局長)
88年入社、名古屋報道センター(論説委員兼務)から昨年6月1日付で着任。
函館支局で北海道南西沖地震を経験。51歳。
東野真和 (岩手・
大槌駐在)
88年入社、政治部、特別報道センターなどを経て昨年5月10日付で着任。
岩手県勤務は7年ぶり。47歳。
三浦英之 (宮城・
南三陸駐在)
00年入社、社会部、立川支局などを経て昨年5月10日付け着任。
記者1年目から4年目までを仙台総局で経験。37歳。
川端俊一 (宮城・
石巻支局長)
85年入社、那覇支局、社会部などを経て昨年5月10日付で着任。
沖縄では、基地問題にあえぐ人々の声を伝えた。51歳。
佐々木達也(福島・
南相馬支局長)
84年入社、社会部、西部報道センター文化グループなどを経て、
昨年9月20日付で着任。仙台市出身。53歳。
(聞き手)
亀松太郎 (ニコニコニュース編集長)
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