遺体番号236。2011年5月8日、赤岩漁港にて発見。
DNA鑑定を経て、姉が名前を取り戻したのは、
9月21日のことだった。
「部落」「犯罪被害者」「ペットの殺処分」「ネット右翼」「風俗街が消える」……。
ノンフィクションライターの藤井誠二が、
話題のノンフィクョン作品やテーマを取り上げる「ニコ生ノンフィクション論」。
東北大震災から9カ月。
無慈悲な自然は二万人近い人の命を奪った。
ノンフィクションの書き手は、さまざまなかたちで、
この被災による惨死に向き合うことになった。
被災地の惨状を目の当たりにした
石井光太は、
釜石市の遺体安置所の状況を丹念に記録し、
『遺体』を書く。
「遺体番号236。2011年5月8日、赤岩漁港にて発見。
DNA鑑定を経て、姉が名前を取り戻したのは、9月21日のことだった。」
こう書いたのは、宮城県の気仙沼出身のスポーツライター
生島淳。
彼が失意の中で書いたのは、
『気仙沼に消えた姉を追って』という作品である。
震災で失われた「命」と私たちはどう向き合うのか。
あるいはそれらと向き合った人々から何を学ぶのか。
いったい、3月11日の午後、津波が奪い去っていったものとは何だったのか。
ふたりの体験と視線から考える。
【出演】
生島淳(ノンフィクションライター)
石井光太(作家)
藤井誠二(司会・ノンフィクションライター)
【出演者プロフィール】
生島淳(いくしま・じゅん)
@meganedo
1967年、宮城県気仙沼出身。ノンフィクションライター。早稲田大学社会学部卒業後、博報堂に入社。1999年に独立。以後、メジャーリーグや五輪などを取材。『スポーツ・グラフィック ナンバー』での執筆や、NHKBS1『BSベストスポーツ』のコメンテーター、TBSラジオ『小島慶子のキラ☆キラ』などにも登場。『駅伝がマラソンをダメにした』『スポーツを仕事にする!』 など著作多数。
石井光太(いしい・こうた)
@kotaism
1977年生まれ。作家。世界最低辺の暮らしを100枚以上の写真とイラストを交えて講義した「絶対貧困」が話題に。世界の物乞いや障害者を追った『物乞う仏陀』、イスラームの売春や性をテーマにした『神の棄てた裸体』、マフィアに体を傷つけられて物乞いをさせられる子供を描いた『レンタルチャイルド』、戦場や貧困地の伝説や怪談や民話に光をあてた『飢餓浄土』、写真エッセー集『地を這う祈り』など著書多数。
藤井誠二(ふじい・せいじ)
@seijifujii1965
1965年愛知県名古屋市生まれ。高校時代よりさまざまな社会運動にかかわりながら、週刊誌記者等をつとめながら一貫してフリーランスの取材者。ラジオのパーメナリティや報道情報番組のコメンテーターやレポーターもつとめ、愛知淑徳大学非常勤講師として「取材学」を語る。『17歳の殺人者』(朝日文庫)、『暴力の学校 倒錯の街』(朝日文庫)、『人を殺してみたかった』(双葉文庫)、『コリアンサッカーブルース』(アートン)、『文庫版・殺された側の論理』(講談社アルファ文庫)、森達也氏との対話『死刑のある国ニッポン』(金曜日)、『アフター・ザ・クライム』(講談社)、大谷昭宏氏と対話『権力にダマされないための事件ニュースの見方』(河出書房新社)、『三つ星人生ホルモン』(双葉社) 等著書多数。
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「当事者主義宣言」
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「ノンフィクションライター 藤井誠二のブログ」
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