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2014年、鈴木忠志の代表作『トロイアの女』が再演された。初演は1974年。ギリシア悲劇を同時代の日本に置き換えた斬新な演出が話題となった作品。1989年以降、長いあいだ上演されていなかった。
『トロイアの女』は暴力の物語だ。ギリシアとの戦争に負けたトロイアでは、男たちは皆殺しにされ、生き残った女たちは強姦され、奴隷として戦勝国に連れて行かれる。暴力とはなにか、人間とはなにか、問い直すことを現代の観客に強いる、演劇の強度がそこにはある。なぜいま『トロイアの女』を再演するのか。鈴木はアフタートークで、テロの時代に対応するためだと述べた。その言葉を聞いた東浩紀からの提案で、今回の対談は実現した。
鈴木忠志は、早稲田大学在学中に学生劇団を立ち上げ、早稲田小劇場を開設した伝説の演劇人。1976年に東京を離れて富山県利賀村に本拠地を移し、劇団名もSCOT(Suzuki Company of Toga)と改称。磯崎新とともに合掌造りの古民家を劇場に作り変え、世界演劇祭を開催し、過疎の村を世界の演劇人が集まる演劇の聖地に変えてみせた。いまのアートフェスティバルの先駆であり、都市を舞台とする盟友寺山修司とはまったく異なる戦略である。(全文は以下のページよりご覧いただけます)
テロの時代の芸術 – ゲンロンカフェ
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