2009年。アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の「時系列順再放送」に、
サプライズ的に挟まれた新作エピソード「エンドレスエイト」。
潜在意識によって無限にループする「終わらない夏休み」からの脱出を描く物語が、
アニメ版ではほぼ同じ内容で、8週間にわたり8回放送された。
8回の放送はそれぞれ別に制作され、作画も収録も行われた「新作」だが、この異様な手法は大きな議論を巻き起こし、おもに否定的な意見が大半を占めた。
『ハルヒ』ファンにとっては黒歴史と見る向きもある。
先日、ゴールデンウィーク特別企画として、ニコニコ動画で『涼宮ハルヒの憂鬱(2009年放送版)』が配信され、またもや「エンドレスエイト」が批判されたことでも話題となった。
テレビ放送から9年、あえていま「エンドレスエイト」を取り上げ、分析哲学の「理屈力」で徹底的に論じたのが、三浦俊彦の新著『エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える』(春秋社)だ。
「エンドレスエイト」にまつわる言説を踏まえながら、作品内部のメッセージを徹底的に読み解き、
そのうえで「人間原理」を応用してまったく独自の仮説を展開していく話題の本書。
三浦は「ポストモダンな文化人・批評家たちが泣いて喜ぶ実作例」であるにもかかわらず、だれも「エンドレスエイト論」を書かないことから「使命感に駆り立てられ」て、本書を執筆したという。
著者である分析哲学の泰斗・三浦俊彦(1959年生まれ)をゲンロンカフェに迎え、『ゴーストの条件』で独自のキャラクター論を展開した評論家・村上裕一(1984年生まれ)と、『涼宮ハルヒのユリイカ』(『ユリイカ』増刊号)にハルヒ論「涼宮ハルヒの失恋」を寄せた作家・坂上秋成(同じく1984年生まれ)とともに、いまあらためて『ハルヒ』と「エンドレスエイト」を語り尽くす……!
『エンドレスエイトの驚愕』の驚愕– ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20180529/