「怨霊の国を可視化する」——これは、2016年に開催される「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」のコミッショナーを決定するための、国際交流基金による指名コンペティションで、ゲンロンが提出した企画書のタイトルである。
残念ながらこの提案は採用されなかった。とはいえ、参加者の藤村龍至、新津保建秀、カオス*ラウンジ、渡邉英徳、津田大介とともに会議を重ねて案を練ったこの企画は、「福島第一原発観光地化計画」の理念を継承するものであるとともに、その問題意識をより拡張したものになっている。この提案を、建築史家の五十嵐太郎とともに検討しつつ、「慰霊碑」という、日本人が残してきた追悼の装置を軸に、「記憶と忘却」、「見えるものと見えないもの」、「データとリアル」、「災害」、「旅」、「霊」などについて考える。
(企画書の一部を下記イベントページよりご覧いただけます)
慰霊から建築を考える - ゲンロンカフェ
http://genron-cafe.jp/event/20151028/