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おはようございます 蒸すなあ・・・

(30分)

青木やっちゃん
    回転の早い脳が永遠に保存され――ミンラウドの昆虫人間たちに与えられた唯一の不死――コントロール脳に配線された複雑な官僚機構がすべての動きを左右――それでもゆがんだ地下組織がテレパシーによるデマとカモフラージュで活動している――パルチザンたちは事前に録音をつくっておいて、それを残してコントロールに拾わせ、その数秒間の隙に地下活動を組織する――地下組織は主に、現在のコントロール頭たちを出し抜き、それに取って替わろうとする冒険家たちで構成されている――ミンラウド史上革命は一回だけ――パージはしょっちゅう――失墜した頭がオーブンで破壊され、もっと回転の早いシャープな頭に取って替わられ、もっと完全兵器を生み出す――ミンラウドにおける主要兵器はもちろん熱だ――かれらの都市の中心にはオーブンが立ち、コントロール脳に服従しない者が連れてこられて完全廃棄される――虹色に輝く金属製の、円錐状の構造物で、ドロドロの惑星中心から熱をたちのぼらせて真昼に鉛を溶かす――しんちゅう&銅通りがオーブンを取り巻く――ここでは鋳掛け屋や鍛治屋が金属リズムを叩きだす横を囚人や犯罪者が廃棄場へとひったてられる――オーブン衛兵は紅甲殻類人間で目は白熱空のよう――オーブンの苦痛と捕らえられた敵との接触を通じ、かれらは時々突然変異を起こして感情を呼吸するに到る――しばしば囚人の脱走を助け、中には囚人といっしょに逃走した者も――(K9はアパートに入ると、ミンラウドの窒息感が胸を押し潰して思考を停止させるのを感じた――立ち去ったとき宿主もいっしょに外に出てミンラウドの通りを下だり通りがかったオーブンはいまや空っぽで冷たい――冷静でドライなガイドの精神が隣にやってきたのは三番街と十四丁目の角――「わたしはもう戻らなくてはなりません」とガイド――「さもないと一人で出歩くには遠すぎることになりますから」かれはにっこりして手を差し出し異星の大気にかき消える――)K9はガンガン叩く金属ハンマーの下のしんちゅう&銅通りをオフィスの白と黄金のローブを着て紅衛兵にオーブンに連れられてきた――オーブン熱が生命源を干上がらせ白熱金属燃料格子がかれを包み込む――「露光二回目――時間三・五」と衛兵――
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