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【生放送】辻田真佐憲「日本のコンテンツは再びナショナリズムに飲み込まれるか――『日本の軍歌』(幻冬舎新書)刊行記念」@reichsneet

CH有料
(3時間02分)

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近年、日本では政治とエンターテインメントが急速に結びつきつつある。

4月に幕張メッセで開かれた「ニコニコ超会議3」というイベントに、安倍晋三首相が足を運んでアニメ柄の街宣車の上から演説したのは、そのシンボルといえる。
その他、椎名林檎のサッカー応援歌「NIPPON」や、AKB48の島崎遥香が出演した自衛官募集のCM。また「ガールズ&パンツァー」や「艦隊これくしょん」など「萌えミリ」と呼ばれるオタク向けコンテンツと自衛隊とのコラボ。
更に、「愛国ポルノ」とも呼ばれる「嫌韓」「嫌中」「日本賛美」本の氾濫、石田衣良のいう「右傾エンタメ」の流行、ドラマ「HERO」と文部科学省の道徳教育とのタイアップなど、このような事例は枚挙にいとまがない。
果たして、「クールジャパン」のコンテンツはこのまま政治に飲み込まれるのだろうか? それともこれらは一過性の現象に過ぎないのだろうか? あるいはこのような現象は本当に「右傾化」なのだろうか、それともどこの国にも見られるものに過ぎないのだろうか?

本イベントでは、この問題を軍歌研究の視点から考え直したいと思っている。
なぜ軍歌か。
それは軍歌がかつて日本史上最大の政治的エンターテインメントだったからだ。軍歌というと「軍部が押しつけた音楽」というイメージがあるかもしれない。しかし、最新の音楽史研究を踏まえると、実は民間企業が儲けのため進んで時局に便乗し、音楽コンテンツを軍歌一色に染め上げたという事実が見えてくる。つまり、日本のコンテンツ産業には、すでに一度ナショナリズムに自ら飛び込んだ経験があるのだ。

このイベントでは、近年目覚ましく進んだ音楽史研究の成果を参照しながら、史上最大の政治的エンタメである軍歌の歴史と構造を解明し、最終的に、今日の「クールジャパン」コンテンツの政治化の成否について考えてみたいと思っている。
また、北朝鮮など海外調査に赴いた成果についても、国際比較のため、映像や写真を交えながら報告したい。「政治とエンタメ」の関係という一貫した軸の中で見れば、我々の身近にあるコンテンツの見え方もきっと変わってくるだろう。
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