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【生放送】上昌広(聞き手:大脇幸志郎)「ノバルティス事件から考える医学研究のガバナンス」

CH有料
(2時間51分)

ゲンロン完全中継チャンネル提供:合同会社ゲンロンカフェ

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2014年3月14日。
STAP細胞論文の不正をめぐる理研の記者会見が世間の耳目を集めた日、別の不正事件について東大病院が会見を開いていた。

ノバルティスファーマ社製の治療薬「タシグナ」。
その効果を調べた「SIGN研究」に、ノバルティスファーマ社員が関わっていた。研究者が自社の製品に有利になるように研究をねじ曲げられる、いわば「八百長」ができてしまう状況は厳正に監視されなければならない。ところがSIGN研究では、ノバルティスファーマに患者の個人情報を含むデータが渡され、研究早期から常識を超えた範囲で同社が関わっていた。

事件はこれだけではない。そもそもSIGN研究が不正調査の対象になったのは、同社製「ディオバン」の臨床研究に、データ改竄を含む大規模な不正が見つかったことによる。

「タシグナ」は白血病の画期的な治療薬ともてはやされた「グリベック」をさらに更新するものとして期待されていた。「ディオバン」は血圧を下げる効果に加えて、臓器をさまざまな問題から守る効果があると期待され、いまも広く使われている。これほど広い範囲に影響する薬品の信頼性が損なわれたことは、医療従事者を震撼させた。

ゴシップが渦巻いたSTAP事件に比べて、一見素人にはわかりにくいノバルティス事件が示唆する問題は深刻だ。

「医は仁術」と素朴に言える時代は終わったのだろうか?
人の命に資本の原理が関わることは避けられないのだろうか?
医学の良心を守るのは誰なのか?

いまだ十分に知られていない問題を語るため、医療ガバナンスの専門家として著書『日本の医療』などで積極的な提言を続けている上昌広がゲンロンカフェに初登場。知識の壁を越えて、すべての人に関わる問題を考える。
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