【序章】
獣たちの戦いが世に終わりをもたらす時
冥き空より、女神が舞い降りる
光と闇の翼を広げ至福へと導く『贈り物』と共に
深淵のなぞ
『女神の贈り物』を探し求める3人の男
しかし、戦が彼らをひきさいた
ひとりは英雄、ひとりは放浪
残るひとりは捕虜となる
それでもなお、3人の心は結ばれていた
再び共に謎を解くという約束で
捕虜は脱走に成功するも、瀕死の重傷を負う
しかし、彼は一命をとりとめる
彼を救ったのは、敵国の女であった
彼は身分を偽り女と共に隠遁生活を送る
その暮らしは、幸福で永遠に続くと思われた
しかし、幸福であればあるほど友との約束が彼を苦しめる
戦乱激化し、世界は破滅へ突き進む
捕虜は恋人と幸福な暮らしを捨て
旅立つことを決意する
『女神の贈り物が至福へ導くことを願い』
友との約束を果たすために
しかし、ふたりは約束などなくても
必ず再びめぐりあえると信じあっていた
「君よ 因果なり 夢も誇りも すでに失い
女神ひく弓より すでに矢は放たれて」
復讐にとりつかれたる我が魂
苦悩の末に たどりつきたる願望は 我が救済と
安らかなる君の眠り
「惜しみない 祝福とともに 君は女神に愛された 世界を癒す 英雄として」
「明日をのぞみて散る魂
誇りも潰え 飛びたとうにも 翼は折れた」
「君よ 希え 命はぐくむ 女神の贈り物を
いざ語り継がん 君の犠牲 世界の終わり
人知れず水面をわたる風のごとく ゆるやかに 確かに」
君よ、飛びたつのか? われらを憎む世界へと
待ちうけるは ただ過酷な明日
逆巻く風のみだとしても
深淵のなぞ それは女神の贈り物
われらは求め
飛びたった
彷徨いつづける心の水面に
かすかなさざなみを立てて
三人の友は戦場へ
ひとりは捕虜となり
ひとりは飛び去り
残ったひとりは英雄となった
約束のない明日であろうと
君の立つ場所に必ず舞い戻ろう
星の希望の雫となりて
地の果て 空のかなた
はるかなる水面
ひそかなる牲となろう