かつて、逮捕者を続出しながら、
世界を変えた非暴力の抗議デモがあった……。ずばり物事の本質に迫るニュース番組として高評価を得る、
アメリカの独立系報道番組
『デモクラシー・ナウ!』。
ニコニコ生放送では、この革新的なニュース番組をトークと共にお送りしていきます。
今回のテーマは、
フリーダム・ライダーズにみる非暴力の抵抗。
毎週金曜日に繰り返される官邸前の抗議デモ。
その参加者は数万人に上るとも報じられ、
日本では安保闘争以来の大衆デモだと言われています。
誰ひとり逮捕者を出さず、けが人も出さず、時間になったら解散というスタイルで、
仕事帰りの人たちが気軽に参加できるような敷居の低さが特徴です。
デモに行くのは過激な人たち、というイメージを払拭し、
参加者を増やすことで人々の意識を変えつつあると言われています。
しかし、暴力を排除することと、逮捕者を出さないことは、本来は別。
大量の逮捕者を出すのを前提とする「非暴力デモ」もあります。
無抵抗で抗議する人たちで刑務所をいっぱいにすることで、
弾圧する側の不正と矛盾を浮きあがらせるのが狙いです。
その一例として、アメリカの公民権運動があります。
50年ほど前まで人種隔離法によって、学校もレストランもトイレや乗合バスの座席も、
果ては救急車までもが白人用と非白人用に分けられていた、アメリカ南部。
これに抗議するため、黒人と白人のグループが南部行きの長距離バスに乗り込み、
人種による座席の区別を公然と破ってみせたのが、
「フリーダム・ライダーズ」です。
白人至上主義者からの暴行や、逮捕される危険を承知で、
身を賭して連邦政府の姿勢を問う彼らに、賛同者が次々と現れ、
全米から集まったライダー達でミシシッピの刑務所が一杯になったと言います。
(下記詳細参照)
今回のニコ生×デモクラシー・ナウ!では、
暴力的ではない方法で、どのように社会を変えることができるのか、
日本で起こっている抗議デモの様相と併せて、
さまざまなかたちの非暴力抗議運動について考えていきます。
番組冒頭では、
当時運動に参加していた二人のライダーズへのインタビュー映像をお送りします。
その後は、早稲田大学文化構想学部教授で、
アメリカ南部と黒人文化の研究に取り組む
ジェームス・バーダマンさんと、
政治学・国際関係論研究者の
五野井郁夫さんお二人のゲストをスタジオに迎え、
非暴力不服従運動について、お話を詳しく伺っていきます。
どうぞお楽しみに。
番組では、ユーザーの皆さんのご意見・ご質問をご紹介いたします。
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#nicoron をご利用ください。
【スタジオ出演】
ジェームス・バーダマン(James Vardaman)
米国テネシー州生まれ。ハワイ大学大学院修了。1976年に来日し、いくつかの大学で教鞭を取ったのち、現在、早稲田大学文化構想学部教授。アメリカ南部と黒人文化の研究に取り組んでいる 。著書は『黒人差別とアメリカ公民権運動 ―名もなき人々の戦いの記録 』(集英社新書) 『アメリカ黒人の歴史』(NHK出版)
五野井郁夫(ごのい・いくお)
政治学・国際関係論研究者、高千穂大学経営学部准教授/国際基督教大学社会科学研究所研究員、民主主義論とグローバル・ジャスティス運動を研究。著書に 『「デモ」とは何か?変貌する直接民主主義』(NHKブックス、2012年)、『国際政治哲学』(ナカニシヤ出版、2011年、小田川大典・高橋良輔との 編著)
中野真紀子(なかの・まきこ)
司会、デモクラシー・ナウ!ジャパン代表。
【今回の特集映像と出演者】
◯フリーダム・ライダーズ 人種隔離バスへの抵抗
・エイミー・グッドマン(Amy Goodman):ジャーナリスト、デモクラシー・ナウ!司会&総責任者
・スタンリー・ネルソン(Stanley Nelson):映画作家。映画 The Freedom Riders.の監督。他の作品には、The Murder of Emmett Till and Wounded Knee.などがある。
・ベルナール・ラフィエ(Bernard Lafayette):エモリー大学の宗教・紛争・平和構築教授。1961年ナッシュビル=ニューオーリンズ間のフリーダムライドに参加した。
・ジム・ツワーグ(Jim Zwerg):1961年ナッシュビル=ニューオーリンズのフリーダムライドに参加。アラバマ州モンゴメリーで群衆に襲われて重傷を負った。
※ 特集映像は、米国Democracy Now!で現地放送用に編集されたものです。
※ この放送のタイムシフト視聴期限は 2012年8月31日となっています。ご注意下さい。詳細-----------------------------------------------
今から50年ほど前まで、アメリカ南部では人種隔離法によって、学校もレストランもトイレや乗合バスの座席も、はては救急車までもが白人用と非白人用に分けられていました。これに抗議するボイコットや座り込みが広がり、連邦最高裁判所は1960年末に、南部の人種隔離法は合衆国憲法違反であるとする判決を出しました。でも南部諸州はこれに従わず、連邦政府も強制措置はとらず、差別の実態はなにも変わりませんでした。
その半年後、10人あまりの黒人と白人のグループが南部行きの長距離バスに一緒に乗り込み、人種による座席の区別を公然と破ってみせました。彼らはこの旅を「フリーダム・ライド」と呼び、身の危険を賭して連邦政府の姿勢を問いました。はたして連邦政府が南部諸州に合衆国憲法を守らせるために行動するかどうか、体を張って試したのです。白人至上主義者から暴行されたり、地元警察に逮捕されたりで、先発グループが途中放棄を余儀なくされると、すかさず次のグループが出発しました。事件が報道されると、暴力にひるむどころか次々に志願者が現われ、全米から集まった400人以上のライダー達でミシシッピの刑務所が一杯になったと言います。こうした命がけの非暴力抵抗運動の結果、ついにバス停や駅から人種隔離の標識が撤廃されました。
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■過去の放送・
<完全版初公開>アサンジ×ジジェク対談(10月6日放送)・
アイスランドは情報天国をめざす(10月27日放送)・
ナオミ・クラインの「ショックドクトリン」(11月8日放送)・
ウォール街を占拠せよ!反グローバリズムの旗手ナオミ・クライン(11月27日放送)・
アノニマスの正体~源流は日本のネット文化にアリ?!~(12月15日放送)・
ハクティヴィズムと情報統制(12月20日放送)・
ペンタゴン・ペーパーズ~国家最高機密文書を公開した3人の男たち~(1月27日放送)・
世界に広がる『原子力ルネサンス』という壮大なペテン(2月24日放送)・
メキシコの麻薬戦争と盗まれた大統領選挙(3月29日放送)・
「タックスヘイブンの闇」グローバル経済の中枢にあるのは巨大なブラックボックス(4月20日放送)・
進化するデモ~復活したオキュパイ運動と、生まれ変わったメーデー~(6月1日放送)・
記憶の貯蔵庫:デジタル映像アーカイブ」~誰が歴史をつくるのか~(6月30日放送)■URL『デモクラシー・ナウ!』HP:
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