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    竹内秀樹です。グルメ日誌と思い出日記です。 //////////////////////// グイッとひと息 アルギンZ。 ひとつ上で 行こうじゃないか。 サラリーマン時代、親しい知人が全社的に新商品の開発製品のアイデアを募った。 寄せせられたアイデアは、200案件をこえた。 そのなかに、数件の実現可能なアイデアがあり、清涼飲料はその一つだった。 二十数種類あるアミノ酸のなかに「アルギニン」というのがある。 これはニンニクの主成分である。 強精薬の原料として、フランスに輸出してはいたが、国内では、肝癬臓の薬として認可がとれないために、売れ悩んでいた。 「アルギニン」には、特有のにおいがある。 したがって、単純に飲料にしても飲めたものではない。 では、いったいどうすればいいのか。 におい消しの研究が、商品開発研究所にまわされた。 ファイン事業部から「AM班」を独立させ、班長にをつけた。 味の素の消費者層は、ほとんどが家庭の主婦であった。 だが、はじめての男性市場に向けたこの新製品に、必勝を期したのである。 この業界には、みずから「ガリバー」と認めるオロナミンCドリンク(大塚製薬)がある。 そのガリバーに挑戦となれば、いかに味の素の本体が大きかろうと、清涼飲料の業界は、未知の世界、資本力に頼 ってしゃにむにはむかっていっても、中途半端な立ちあがりでは、たたき落とされる。 「水もの」の業界には、そうした恐ろしさがつねにひそんでいる。 こうしたなかで、「アルギニン」のにおい消しの研究が進む。 試作品は、約5000種類をこした。 1979年(昭和54年)4月、「アルギンZ」の発表会にこぎつけた。 発案募集から3年がたっていた。 「アルギンZ」を市場に流すまえに、これを清涼飲料として製造認可をとるか、医薬品の強壮剤として売りだすかで、社内的に意見が分かれた。 清涼飲料とすれば、オロナミンCドリンクと同系列になる。 しかも、宣伝文句に"強壮"効能をうたうことができない。 また、医薬品とすれば、リボビタンD(大正製薬)と同じく、疲労回復、強壮を前面に押しだすことができる。 「アルギンZ」は、どちらの認可もとることができた。 しかし、後者を選択した場合、既存の味の素の販路では売れないのだ。 そのデメリットは、とくに成熟市場といわれている飲料業界では、販売スポット(拠点)の数が勝負。 それだけに未知数の新製品にとっては、マイナス要因である。 味の素の既存のスポットを利用すれば、すでに食料品店、酒屋、量販店といった販路が一五万店ある。 こうした諸条件を考えると、清涼飲料として発足するほうが、はるかに有利である。 「アルギンZ」は、こうして清涼飲料としてスタートを切った。 オロナミンCドリンク100円に対して「アルギンZ」は150円の販売小売価格。 50円の差は「付加価値」だと、スタッフはみずからにいいきかせる。 しかし、実際のところ、この差が、どのようなかたちで出るかは、まったくわからなかった。 AM班は、工場、研究所など約一五人で始まり、販売が開始されると、社内スタッフ100人と関連外部スタッフ100人の計200人に増員された。 当初、既存のスポットに商品を流したら、相当に売れるかと思ったら、意外と売れなかった。 業界のガリバー、オロナミンCドリンクの販売スポットは、65万店。 それに対する味の素の販売スポットが15万店。 その数の差ばかりか、15万店のスポットですら、予想どおりには売れなかったという誤算が、早くも出たのである。 スタッフは、味の素内部で「特殊ルート」と呼ぶ、新しいルートの開発にやっきとならざるをえなかった。 特殊ルートというのは、駅売店、ゴルフ場、ガソリンスタンド、ドライブイン、職場、ホテル、旅館、サウナ、パチンコ店、マージャン、バー、クラブ、その他(遊技場・観光土産品店など)全国およそ40万店をいう。 従来の味の素には考えられない販売ルートであった。 これを「創業の精神に戻って」開拓するのである。 味の素としては、全社員が営業マンとなった。 ある者は、会員になっているゴルフ場に話したり、バーに飲みに行っては、売りこみをする。 品切れになっているスポットをみると、担当者に連絡を入れる、といったぐあいに、全社員が、「アルギンZ」の販売に燃えた。 この社内的な「モラル」の高ぶりは、ともすれば保守的になりがちな社員たちの意識を覚醒させもした。

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