なぜ人は苦いコーヒーに依存するのか？【PUBG】

僕はブラックコーヒーが飲めない。

毎週土曜日が近づくと、僕の心の奥は徐々にざわついていく。
それの大半は充足感への渇望であり、マグカップに残るコーヒーの淡い痕のようなもので、決して消えゆく事はない。
一週間かけて空になったマグカップに、また一週間かけて緊張感と焦燥感をゆっくりと注ぎ込んでいくのだ。
本来ならば、それを勢いよくマドラーで掻き混ぜ、まだ熱をしっかりと内部に宿したコーヒーを楽しんで頂きたいところではあるのだが、僕が持っている自信という名のマドラーは、余りに小さく実用的ではない。
従ってマグカップの中のそれらが、エントロピーの増大と共に徐々に混ざり合い、ぬるく苦味のあるコーヒーが出来上がるのを待つしかないのだ。
そして僕がこんなネガティブドリップ製法を説明したところで、誰がそんなコーヒーで大切な土曜日の夜を過ごそうという稀有な結論に辿り着くというのだろうか。
しかしながら、勿体無い程の幸運ではあるのだが、こんな味覚不明のコーヒーを飲みに来てくれる方々が、僕には沢山いるのだ。
果たして、このコーヒーは美味しいのだろうか。
それを確かめる術は僕には無い。
こんな配信であっても、皆さんのコメントが混ざれば、僕にもどうにか美味しく飲み干せそうな気がするのである。

なぜなら僕はブラックコーヒーが飲めない。




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